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ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所の代表、田中です。日比谷のオフィスを拠点に、起業家、経営者に対し、濃密な支援を行っています。いつでもお気軽にコンタクトしてください。              ※詳しい経歴は、カテゴリ(左バー)の「My Profile & 会社概要」をご覧ください。
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2011年02月14日

◆見えない資産活用戦略~既に上手くやれていることを掘り起こせ

◆見えない資産活用戦略~既に上手くやれていることを掘り起こせ


※自社が「すでに上手く行えていること」を応用展開できる空白地帯はまだまだあるかもしれない。


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◆ニュース雑感

『エジプト:政権崩壊、ネットで連帯 新たな民衆革命の姿』
(毎日新聞 2011年2月12日)

 ムバラク大統領が辞任し、30年にわたって維持されてきたエジプトの独裁政権が崩壊しました。

つい先日も、本ブログで「ウィキリークスのジュリアン・アサンジさんが『パンドラの箱』を開けたのではないか」ということを書きましたが、早くもその余波が、具体的な形となって表れてきたようです。

すなわち、かつてないほどのスピードとパワーで、国家権力などの大きな枠組みを揺さぶる、といった大規模な活動が常態化する様相を見せ始めているのです。

 かつては、いわゆる独裁・強権政治体制を維持するために、情報や言論を人々が共有できないようにして、大きなパワーにつながる連携・連帯を阻止する必要がありました。

しかし、国家の制約を(実質的に)受けないネットや携帯電話の普及で、正確な情報が写真や動画などを伴って共有されるようになり、以前と違って格段に人々が連携しやすくなりました。

さらには、各国の政府を慌てさせたウィキリークスやチュニジア政府崩壊などの“成功”事例が積み重なって、人々が、さらにネットのパワーに確信を持ち始めたのが、こうした活動が連鎖する大きな要因の一つになっているのだと思います。

こう考えると、最初に、国家を向こうに回してネットによる言論パワーを行使した(パンドラの箱を開けた)ジュリアン・アサンジ氏にノーベル平和賞を、との声は、あながち突飛な提案とはいえないのかもしれません。


○参照(毎日新聞): エジプト:政権崩壊、ネットで連帯 新たな民衆革命の姿


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◆本日のコラム

 企業の新たな強みとなる可能性を秘めている領域にインタンジブル・アセット=目に見えない資産という領域があります。この議論を行うとき、まず出てくるのがブランド、知的所有権などです。しかし、これらは企業が保有するもののほんの一部にすぎません。

本コラムでは、これらはひとまず置いて、ほかのインタンジブル・アセットに焦点を当てて考えてみましょう。

まずはどのようなものがあるか、思いつくものをざっと並べてみます。


 ◇すでに開通している顧客へのアクセスルート
  (現在、接触が途絶えている顧客へのルートも含む)

 ◇すでに蓄積している各種顧客・市場情報

 ◇ある対象を分析したり管理したりするための体系的なスキル
   -経営データ分析スキル
   -原価管理スキル
   -購買部門の購買スキル
   -顧客管理機能 /その他

 ◇本業をサポートしているような業務スキル
   -物流・サプライチェーン運用スキル
   -カスタマーサポート機能
   -コールセンター運営スキル・ノウハウ
   -メンテナンス・スキル /その他


 これらは、通常は、資産としてとらえられることはありません。なぜなら、自分たちの事業を行うためにしか使われておらず、顧客や市場へ提供していく、といった発想は多くの当事者(当該部門で働く人たち)が持っていないからです。

しかし、実は、これらは「他者から見るとうらやましい得意技」である場合も少なくないのです。そして、現実に、これらを他の機能と組み合わせたり、適用する対象や場所を変えたりすることにより、大きなコストをかけることなく、既存の事業活動を進化・高度化させることが可能になることがあるのです。
  
一例を上げましょう。

ある米国の中堅の薬剤・医療キットの卸・物流会社は、おもに、大手の医療施設に対して、緻密な仕分け&パッケージングを行ったり、細かくジャストインタイムで配送するなど、差別性の高い物流スキル体系を持っていました。

ある日、彼らは気が付きました。この物流ルートは、医療施設の入り口までのもので、その内部にまでは及んでいないことを。そして、自分たちの緻密なスキル体系をその内部にまで拡張できないものかと。

同社はまず、施設内部のモノの流れを精査してみました。すると、医療キットや薬剤の仕分け・トレイに乗せる作業、各部署へ配布する作業を、本来の担当ではない看護師や医療事務員が、1日に何時間も費やして行っていることがわかったのです。

そこで、問題を解消するべく、同社のノウハウを応用して、薬剤や医療キットが最終ユーザーに円滑に届くための「病院内のミニ・サプライチェーン」を設計し、既存の物流サービスに接続して提供し始めました。

その結果、この会社は売上げ・利益率を伸ばし、固定客が増加したのです。

 もうひとつの成功事例をあげましょう。

これは私が実際に行ったある物流サービス企業の例で、以前のコラムでも述べたものです。

この会社は長年、物流の世界に居ますが、最近はお客様からコストを転嫁されるケースが多くなり、収益悪化に苦しんでいました。

しかし、そうした逆境にあったことで鍛えられていたスキルがありました。顧客からの厳しいコスト転嫁に耐えていくために物流管理部門が行っていたコスト分析力が非常に精緻な体系になっていたのです。

そこで、新たに、自社の分析スキルを既存の物流サービスに組み込みました。顧客が製品にかけるコスト配分の妥当性を細かく分析し、それにフィットした物流サービスを設計し提供する、といったスタイルに、自社のサービスを進化させたのです。

その結果、コスト競争力のある物流システムの設計・運用ができる会社として認識され始め、価格転嫁される案件を減らすことに成功しました。

 前述したように、目に見えない資産、というとブランドや知財にばかり目を奪われがちです。しかしこれらの事例が示すように、「すでに上手く行えていること」を掘り起こし、他の機能やスキルと融合させることにより、自社のビジネスを進化させることもできるのです。

多大な投資をしたり、外部のコンサルタント会社などに、他力本願的に解決策を求めたりするまえに、まず、自社組織に正面から向き合い、インタンジブル・アセットを丹念に掘り起こすアプローチをおすすめしたいと思います。




◆PRのコーナー:
 2011年5月、淑徳大学サテライトキャンパスにて、『第一線の実務家と考えよう!ドラッカーに学ぶ新型知識労働者の姿』を開催します。詳しくは下記をご覧ください。

●「ドラッカー講座PRチラシ ダウンロードのページ」
 http://jtmt-office.jimdo.com/資料のダウンロード/

●講座へのお申込みページ
 http://ext.shukutoku.ac.jp/course/detail/455/

●公開講座の各種お申込み方法について
 公開講座の資料の請求と申込方法(淑徳大学ホームページ)

●公開講座のお問い合わせ先
 〒171-0022 東京都豊島区南池袋1-26-9 MYT第2 ビル7F「淑徳大学エクステンションセンター」
   TEL: 03-5979-7061  FAX: 03-3988-7470
   E-mail: ext★ccb.shukutoku.ac.jp(★を@に変換してください)




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Posted by ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 at 09:10│Comments(0)使える戦略理論を考える
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