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ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所の代表、田中です。日比谷のオフィスを拠点に、起業家、経営者に対し、濃密な支援を行っています。いつでもお気軽にコンタクトしてください。              ※詳しい経歴は、カテゴリ(左バー)の「My Profile & 会社概要」をご覧ください。
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2011年01月20日

◆「コミュニケーションが組織を強くする」は本当か?

◆「コミュニケーションが組織を強くする」は本当か?


※「ケミストリー(チームワークによる相乗効果)が勝利を生み出すのではなく、勝利がケミストリーを生み出す」とは、NYヤンキース監督時代に地区優勝10回、ワイルドカード獲得2回という実績を持つ名将ジョー・トーリ氏の言葉である。



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 ○「ドラッカー講座PRチラシ ダウンロードのページ」
 http://jtmt-office.jimdo.com/資料のダウンロード/




◆ニュース雑感:

『オムロン次期社長に山田氏 若さ、統率力前面に』
(京都新聞1月18日)

 オムロン(立石電機)に、49歳の社長が誕生しました。執行役員から11人抜きで就任した山田義仁氏は、つい最近まで国内外の第一線でにビジネスをドライブし、競争が厳しい海外事業や販売部門でしっかりと成果を上げてきた人で、何よりも能力と行動力が評価されたのだと思います。

かつてよく見られた、あまり現場には口出しをせず、大きく構えておけばよかった大企業の経営者像とはかなり異なるタイプの人です。筆者は個人的には、同じCOOから社長になったカルロス・ゴーン日産自動車社長や、世界中を駆け巡り、現場で陣頭指揮を執り続けながらIBMを復活へと導いたルイス・ガースナー氏に通じるタイプだと思います。

これからの経営者には、スポーツに例えていえば、プロ野球の監督だった野村克也氏やその愛弟子の古田敦也氏のように、キャッチャーマスクをかぶり、自らも戦いの場に身をおきながら、チーム全体のマネジメントも行っていけるようなタイプが求められるように思います。

別の例に例えると、航空機に乗って上空から全体を俯瞰しながらも、変化の兆しを見つけると、自らがパラシュートを背負い、その場所へ急降下していくようなタイプです。ローソンの新波さんもこのタイプかもしれませんね。
(ちなみに某国産航空会社の会長のような、お膳立てされている現場を行列を従えて視察する、といった行動を指すのではありません。念のため)

 オムロンのこの人事は、変化が激しい昨今、環境変化の兆候を鋭敏に嗅ぎ取る、実戦的な感覚を持った経営者が求められていることの、まさに兆候なのではないでしょうか。

○記事詳細:『オムロン次期社長に山田氏 若さ、統率力前面に』
 http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110118000019



◆本日のコラム:

 さて、本日のコラムに参りましょう。

コミュニケーションを活性化し、社員のモチベーションを向上させ、丹念に教育・研修を施すなど「社員の活性化」を行えば業績が上がっていく、ということを言う専門家がいますが、これは事実でしょうか。

確かに業績の良い会社は社員が元気です。積極的な議論や創意工夫がなされるなど社員のコミュニケーションやモチベーションが充実しているように見えます。しかし、実際に自らの手で経営を行ってきた者から言わせてもらうと、それは現象的あるいは結果的にそう見えるだけであり、決してそのような状況を先に作ってから業績を上げていったのではありません。

何よりも強い組織となるためには、ずばり「ビジネスに勝利すること」、すなわち目の前の受注件数が増え、売上げや利益を獲得すること以外に方法はないと思います。

すなわち、成果をあげられるスタイルや活動プロセスを確立し、受注を獲得できる武器(製品・サービスなどのバリューパッケージ)を持ち、それを顧客へしっかり移転できる技術を組織のメンバーが習得し、目の前のビジネスを勝ち抜いていくことによってしか実現し得ないのです。

モチベーションやコミュニケーションはどこまでいっても手段や道具にすぎず、少なくともそれだけでは、決して活力を持った組織は持続的なものとはならないのです。

 ちなみに、われわれ企業再生や改革を生業とする者が、破たんして社員の意識がどん底状態にある企業に乗り込んだ場合、財務リストラや資産の売却など、あまり手段を選ばすに、まず何よりも利益の確保を最優先にして行動を開始します。

「後ろ向きな作業やコストダウンをやると、組織のモチベーションが下がり活力が奪われる」などともっともらしいことをいう学者や専門家がいます。

しかし、資産売却だろうが、コスト削減だろうが、ムダな脂肪を取り除いてスリム化し、ガン細胞を切除して、黒字をしっかりと確保することに成功すると、そうした取り組みに一生懸命ついてきた社員たちの顔は明るくなっていきます。多くのケースにおいて学者などがいうようなことは例外なのです。

むしろ、経営破たんの責任を取ろうとしない者へ厳しい対応を取ったり、非効率な資産を思い切って処分したり、生産性の低い業務を削減してしまうなど、ドラッカーがいうところの「体系的な廃棄」を断行するようなやり方に対しては、それを前向きにとらえる人も、確実に増えてきているように感じます。

 「ケミストリー(チームワークの相乗効果)が勝利を生み出すのではなく、勝利がケミストリーを生み出す」とは、メジャーリーグ・NYヤンキース監督時代の12年間で地区優勝10回、ワイルドカード獲得2回という実績を持つ名将ジョー・トーリ氏の言葉です(※)。

これを言い換えれば、必死で勝利を目指す過程(=実戦)で得たものでなければ、それは、決して本物のケミストリー(手段や道具)とはならない、という意味であると思います。

すなわち、トーリ氏の言葉は、あくまでも事業の本分である「ビジネスにおける勝利」を通じて組織力を高めていく、という視点を忘れてはならず、コミュニケーションを良くしたり、モチベーションを高めたりするなどの手段や手法は、あくまでも補助的なものに過ぎない、ということを示唆しているのだと思うのです。


※参照:
 『メジャーリーグ~アメリカ社会を映す鏡』NHKドキュメンタリー、2011年1月放送
 『さらばヤンキース―我が監督時代』
    ジョー・トーリ、トム・ベルデュッチ共著、2009年、貴志社



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Posted by ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 at 11:43│Comments(0)使える戦略理論を考える
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