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ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所の代表、田中です。日比谷のオフィスを拠点に、起業家、経営者に対し、濃密な支援を行っています。いつでもお気軽にコンタクトしてください。              ※詳しい経歴は、カテゴリ(左バー)の「My Profile & 会社概要」をご覧ください。
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2011年01月12日

◆B2Bの事業高度化戦略~人材への割り切りと発想の転換を持て




※事業のコアに集中し、戦略を先鋭化させたい企業の多くは、コア以外の自社のビジネス機能の構築、運営、更新を、自社の戦略を深く理解する専門機関に委ねたいと考えている...



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 2011年5月、淑徳大学サテライトキャンパスにて、ドラッカーを学ぶ講座『第一線の実務家と考えよう!ドラッカーに学ぶ新型知識労働者の姿』を開催します。詳しくは下記をご覧ください。

 ○「講座PRチラシ ダウンロードのページ」
 http://jtmt-office.jimdo.com/資料のダウンロード/



◆ニュース雑感:

『ブラジル高速鉄道争奪戦 入札延期に望みつなぐ日本』
(ダイヤモンド・オンライン 1月10日[月])

 ほぼ決まりと見られていた韓国のブラジル高速鉄道(TAV)事業の受注が、土壇場で延期になったそうです。

この商談で新幹線システムを売り込んだ日本企業の関係者によると、ブラジル政府が北朝鮮リスクを抱える韓国への40年にわたる長期の運営委託を危ぶんだ面がある、とのことです。しかし一方で、同政府の「買い叩き」ともいえる購買条件の緩和がなされる気配もいまのところないようです。

ゆえに、もし“節約”志向のブラジル政府に韓国のリスクを危ぶむ気持ちが湧いてきたとすれば、それは将来「高くつく」可能性が頭に浮かんできたからかもしれません。

したがって、日本の新幹線システムを売ろうとする企業連合軍は、新幹線システムの長期安全運営ノウハウや実証データを具体的・体系的に提示するのはもちろん、実績に乏しい韓国のそれが持つ潜在リスクコストや、ブラジル政府の甘い事業見積もり・建設リスクも指摘しながら、新幹線のトータルな経済性や安定運営によるコスト優位性をアピールしていくことが、受注の突破口になるのではないでしょうか?

もちろん、こうした高度な分析や提案を体系的に示すことができる優秀な専門家や、それを支える企業連合の惜しみない協力体制があることが前提となるのはいうまでもありませんが。

○記事詳細
『ブラジル高速鉄道争奪戦 入札延期に望みつなぐ日本』


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◆本日のコラム:

 さて、本日のコラムに参りましょう。

 ロジスティクス(物流)や工業プラント、生産システム、ITインフラ、交通システム事業など、かつて隆盛を誇ってきたB2B(Business To Business)を展開する企業に元気がありません。国際的な展開はもとより、国内においても必ずしも戦績が良くないようです。

その活動を観察したところでは、いまだに技術やハードウェアの説明に拘泥し、「モノ売り」「技術売り」といった「売りたいものが先にありき」の営業スタイルから脱却できていない企業が大半のように思えます。

つまるところ、こうした姿勢は、高度化・複雑化した顧客の経済活動へ貢献するという観点から、自社の製品・サービスを「顧客ビジネスに組み込まれる戦略的な機能」として、同様に高度化・生態系化して提供できていないことによる部分が、少なからずあるように思われます。

ドラッカーは、「マネージャーは他社への貢献に焦点を当てて仕事を組み立てねばならない」と指摘しますが、これは人間のみならず、ビジネス機能や自社のバリュー(製品・サービス体系)にもいえることなのです。

すなわち、物流もITインフラも生産設備や工業プラントなども、「顧客の事業戦略やビジネス力の向上に貢献すること」に焦点を当てて設計・構築されていなければならない、ということです。

では、どのような方法で、こうした高度な事業スキルを自社にビルトインしけば良いのでしょうか?

もちろんカギとなるのは人材です。しかし、新たにこのような事業スキルを構築しようとすると、単に製品特性の説明や技術的なアピール、価格交渉などしか打ち手を持たない従来型の担当者とはまったく異なる人材が必要となります。

つまり、顧客の立場に身を置き、顧客のビジネス戦略に対するインパクトや経済性・コストメリットなどを科学的・体系的に提示することができる、顧客エージェントや事業コンサルタント的な役割を果たすことのできる人材が、少なくとも司令塔部門には必要となるのです。

ここでポイントとなるのは、できるだけ「現在の担当部門にいる人材とは別立てで人材を育成・調達する方向で考える」ことです。

特に物流などの分野で提案・商談活動に従事してきた人は、社の内外からコストを転嫁されたり、購買条件を叩かれたりしてきており、被害者意識を持っている人が少なくありません。

また、酷な言い方ですが、これらの人たちには、顧客への対応スキルが値引き(コスト対応)や御用聞きなどの低レベルなものにとどまっている人が多く、このような担当者を再教育するのはきわめて非効率であり、改革を冗長化させ、失敗に終わらせる確率を高めてしまいます。

結論から言うと、従来型の担当者は定型業務に専念させる、と割り切ったうえで、業務改革や新しい業務スタイルのかじ取り役には、外部や他部門から調達した、これまでとは異なる視点やスキルセットを持つ人材を据えることが、結果的に最も効率的かつ効果的な策となります。

 ちなみに筆者が経営者として企業の再建にあたる場合、この種の改革には、小型のカルロス・ゴーン日産社長よろしく、事業コンサルタント的なスキルを持つ人材を部門長としてヘッドハンティングしたり、経営分析力や戦略鑑定眼を持つ経営企画部門の中堅・若手メンバーを営業の司令塔部門へと転身させたりすることがあります。

特に後者のやり方は、しばしば有効となります。社内でそのような人材を調達する場合、「自社のビジネスや技術力」を熟知しながらも経営やビジネス戦略を分析する視点やスキルを保有しているというメリットがあります。それゆえ、彼らが思い切って活躍できる環境を整えることさえできれば即効性が高くなるのです。

「当該担当者には、その領域における改革はできない」といった言い方があります。これを一歩進めて解釈すると、改革後の仕事はいままでやってきた仕事とは別物である、ゆえに、「最初から新しいスキルセットを持つ人材をキーポジションに据える」といった発想の転換が必要ということです。

また、「6歳の子供に50kgのリュックを背負わせてはならない」といった表現もあります。ドラッカーの言葉ですが、言い換えると、過去の経験則や価値観を背負ったままの改革をやってはいけない、ということです。

 以上のような考え方は、日本型の組織には馴染まないかもしれません。しかし、このやり方は、「誰を最優先に考えて貢献していくのか」を熟考し、それに向けて体制を整える、という、顧客にとってもっとも真摯な施策を実行することに他ならないのです。

そして、このような顧客志向が徹底できる組織だけが、顧客の戦略的パートナーとして、厚い利益率を享受できる、数少ない存在になれるのです。


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Posted by ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 at 09:00│Comments(0)実戦的マネジメント手法を考える
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