プロフィール
ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所
ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所
ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所の代表、田中です。日比谷のオフィスを拠点に、起業家、経営者に対し、濃密な支援を行っています。いつでもお気軽にコンタクトしてください。              ※詳しい経歴は、カテゴリ(左バー)の「My Profile & 会社概要」をご覧ください。
アクセスカウンタ

2010年11月12日

◆信念と実践の経営を実感~プレジデント社藤原社長との交流から

◆信念と実践の経営を実感~プレジデント社藤原社長との交流から


※2010年11月9日、プレジデント社社長室にて。代表取締役社長の藤原さん(左)と私(右)。13階にある社長室からは都心を一望できます。ちなみに撮影は、いつもすばらしく機転が利く秘書のKさん。
 「写真とろう!」と言いながら、藤原さん、私、Kさんが列をなして社長室になだれ込んでいったので、部屋の机でお仕事をされていたプレジデント編集長の長坂さんがびっくりされていました。お騒がせして申し訳ありませんでした(汗)。
・・・でも、近いうちに、またお邪魔することになりそうです。

                     ●        ●        ●

 さて、本日のコラムに参りましょう。

 先日、懇意にさせていただいているプレジデント社の藤原昭広社長にお会いしてきました。同社が平河町森タワーという新築のビルに引っ越しされてから初めての訪問です。

 ご存じの方も多いと思いますが、藤原さんは、プレジデント社事業の中核である『プレジデント』誌において、大きな改革を行われた方です。ターゲット層を経営トップからミドルに切り替え、低迷を続けていたかつての誌面を刷新し、ほとんど人員規模を変えないまま、月1回から2回の発刊体制へ移行するといった改革を断行したのです。

以来、出版不況が続くなか、ここ数年、平均して昨年対比110~130%と順調に発行部数をのばしています。いまや、書店やコンビニで真っ先に目にとまる、新時代を代表するビジネス誌に生まれ変わったといっても過言ではないでしょう。

 本日は、この改革を成し遂げ、いまだに進化を続ける組織を率いる経営者としての藤原さんの話をしましょう。

藤原さんの特徴を簡潔に言うと、とにかく、ブレがない経営者であり、他に見当たらないタイプの経営者である、という表現がピッタリくると思います。

いつも話をしていて感じるのは、自らがやるべきミッションを明確に理解されていること、それを、いついかなるときも、わかりやすくストレートな言葉で語られることです。

しかし、いろいろな施策について話を聞いてみると、非常に多彩な面を持ち合わせていることもわかります。驚くほど緻密な面を持っているかと思えば、中小企業の親父さんのようにざっくばらんな面もあり、欧米のらつ腕CEOに勝るとも劣らないドライな一面を見せることもある、といった感じです。

つまり、ミッションや信念についてはブレるところがないが、それを実践するためのスタイルは、柔軟で、とらわれることなく自在に変化するということなのです。

 そのような藤原さんが改革時に打ち出したプレジデント誌のミッションは、「優れた経営者を作り、世に送り出すこと」という、実にストレートで力強いものでした。

もちろん、単にミッションを打ち出すだけで、厳しいメディア世界の競争を乗り切れるわけではありません。

特にプレジデント社の場合、同誌以外にもdancyuやALBA、プレジデントFamilyなど、それぞれターゲットが異なる雑誌をいくつも発行しており、誌面づくりやマーケティングの方法も違う、といった複雑性を抱えています。しかも、こうした異なる活動を、100名に満たない社員でこなさなければなりません。

しかし、それにもかかわらず、人員拡大をほとんどすることなく、同社は、前述したミッションのもと、着実な進化・多様化を続けています。

あまり知られていませんが、プレジデント社の本質は、緻密なデータベース・マーケティングや高度な情報解析力を持つ、科学的なアプローチを得意とする会社です。通常、こうした組織が異なる事業をいくつも抱えると、能力が分散したり、逆に(分析力があるゆえに)リスクを取らずに硬直化したりするものなのですが、この会社はまったく違うようです。

 なぜ、このような事業展開ができているのでしょう?

その秘密を解き明かすヒントは、藤原さんの経営姿勢、すなわち、明確な事業ドメインと目標の設定力、そして日々の行動・思考形態にあるように思えます。

つまり、藤原さん自身が、ホンモノの迫力をもったメッセージを組織の隅々にまで届けるメッセンジャーであり、チャレンジを実践するロールモデルの役割を日々、果たしていると考えられます。

さらには、藤原さんが体現する、とらわれない柔軟な思考スタイルが、これも社員にとって、明確なメンタルモデルとなって、日々影響を与えていることは間違いないでしょう。

それゆえ、社員の皆さんは、膨大な情報を分析したり、新しい企画にチャレンジしたりしても、目標を見失うことなく、また、硬くなることもなく、のびのびと前に進むことができているのだと思います。

 さらに、これらに加えて私が特筆したいのは、藤原さんの「その後」です。

確かに、改革を断行し、業績をV字回復させた手腕は素晴らしいと思います。たとえば、日本の経営者に対してきびしい大前研一さんも、高い評価をされているようです。しかし私はむしろ、それを成し遂げたあとの姿勢に、藤原さんの非凡さを感じるのです。

一連の改革を通して名が知られるようになった藤原さんには、TBSの報道番組のコメンテーターの仕事が舞い込むなど、引っ張りだこになった時期がありました。しかし、自分が有名になることで、社内に依存心が生まれ、次世代を担う人材が育ちにくくなると察するや、すぐにそうした活動からキッパリと身を引きました。

(昨年、私に面と向かって「自分が前に出過ぎるのは良くないと判断し、すぐに辞めた」とサラッと言われました)

さらには、小さなことかもしれませんが、今回のオフィス移転にもその姿勢を垣間見ることができます。

業績が伸びると、瀟洒なオフィスに借り替えて悦に入っているような経営者が多いなか、藤原さんは、さらなるオフィススペースのムダの削減と充実をはかりました。同時に、現在の不動産不況をうまく利用して、賃貸コストの大幅な削減も実現されたのです。

しかも、コストを節約できたことを、実に嬉しそうに、また、楽しそうに語られます。

つまり、復活を成し遂げた今も、まったくブレることがないばかりか、以前にもまして、経営のあるべき姿や社会への貢献を希求される姿勢を強めているのです。

これは、並の人間にできることではありません。

そして、社員の皆さんは、この姿をしっかりと見ているのです。

志とか理念、社会貢献など、美麗字句を発するのはたやすいことです。しかし、365日それを体現し、成功をおさめたあとも、さらに一歩も二歩も踏み込んでドライブをかけ、自社のミッションを追求していこうとする経営者やリーダーは決して多くありません。

景気が悪い、政治が悪い、などといった他責の言葉をよく聞きますが、藤原さんにお会いするたび、「ブレることなく経営努力を尽くしている」と言い切れる経営者が、この日本にいったい何人いるのかと考えさせられてしまいます。

(ちなみに、私はお会いするたびに親しく会話をさせていただいていますが、藤原さんの口から、悲観論めいた話を一度も聞いたことがありません)

同時に、企業再生のプロ経営者を標榜する自分を鑑みて、大いに身が引き締まる思いがするのです。

 私にとって、この日は、信念を持ち、真摯にそれを実践していくことの大切さを、社員の皆さんの生き生きとした姿を見ながら、改めて深く心に刻んだ一日となりました。


  ※本コラムは、藤原昭広社長ご本人に掲載をご快諾いただいております。


■ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所■
 http://www.jtm-tanaka.com/
 〒105-0003
 東京都港区西新橋1-2-9日比谷セントラルビル14階
 TEL:03-3975-8171  FAX:03-3975-8171

この記事の一部またはすべての転載を固くお断りいたします。
Copyright (C) 2010 Kiyoshi Tanaka All Rights Reserved
◆◆◆


同じカテゴリー(戦略請負人のつれづれ日記)の記事
Posted by ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 at 08:30│Comments(0)戦略請負人のつれづれ日記
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。