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2010年10月12日

◆割れ窓理論を考える-2「一人で始めたゴミ拾い、260人に」




※適切なビジョンと情熱、粘り強い継続の姿勢に、正しい技術を加味すれば、「割れ窓理論」は企業組織においても応用が可能である.

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 一昨日、以下のような記事が配信されてきました。つい数日前にこうしたムーブメントの有効性を説いたコラム「割れ窓理論と日本電産・永守会長」を書いたばかりだったので、嬉しくなって思わず取り上げてしまいました。

(前回予告した戦略立案方法に関するコラムは次回以降とさせていただきます。熱心なご意見をいただいた皆さん、ゴメンナサイ)



『美化活動 輪広がる 旧江戸川護岸、1人で始めたごみ拾い 協力者260人に/千葉』
【毎日新聞 10月10日(日)】
 
 口コミで協力者260人に。21日に堤防の落書き消し--浦安南高生徒らも参加

 たった1人の強い意志が周囲を動かし、状況を大きく変えつつある。「ごみだらけで風景画が描けない」。そんな子供たちの声を聞き、4年ほど前、市内に住む男性が浦安市の旧江戸川護岸で、1人黙々とごみを拾い始めた。美化活動の輪は広がり、21日には市内の県立浦安南高(山中克男校長)の生徒たち20人を含む市民が、東京湾岸の堤防の落書きを消す作業に取り組む。【山縣章子】

※詳細記事: 毎日新聞社
   http://mainichi.jp/area/chiba/news/20101010ddlk12040131000c.html

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 さて、コメントに参りたいと思います。

 こうした取り組みを企業に展開するための方法について考えてみましょう。

 この事例も、過日のコラム「割れ窓理論と日本電産・永守会長」で説明したのと同じく、ひとりの強い意志と行動が強力なメッセージとなり、周囲の人たちの共鳴・共振へとつながっていった「割れ窓理論」の典型的な事例と言えるでしょう。

このごみ拾い活動は、4年の歳月を経て大きなムーブメントになっていったそうです。長期にわたって地道な活動を続けられた姿勢は、本当に素晴らしいと思います。ですが、これを企業が導入する場合、3~4年もかけてじっくりとやるのはなかなか難しい、というのが正直なところでしょう。

こうした取り組みの導入を検討する企業の多くは、その時点で、何らかの危機的な状況に陥っています。よって、手遅れになったり、途中で挫折したりしないように、波及効果の生産性・効率性を高める施策を意識的に打ち込んでいく必要があります。

ただ、その前に、絶対条件として確認しておきたいのが、記事の事例と同様、中心となる人の思いや信念の重要性です。

割れ窓理論の本質は「人の心」を動かすところにあります。人から人へと、強固な意志や、本物だけが持つ感動が伝播することによってのみ、中身の伴ったムーブメントが形成されます。つまり、強い思いを抱いた人のエネルギーが常に活動の中心に存在し、周囲にそれを供給し続けることが生命線となります。

それゆえ、中心人物の「気持ちと行動で周囲を引っ張る」という姿勢を活動のエンジンとして位置づけ、それを継続できる環境を必ず確保する必要があります。

この形が十分に担保されたうえであれば、さまざまな施策を打ち込んで、その生産性や効率性を上げることが可能となります。それらをうまく組み合わせたり、タイミングよく打ち込んでいくことにより、企業組織においても、その本質を損なうことなく、生産性・効率性の向上をめざすことができるのです。

以下はその施策の例です。



[割れ窓理論によるムーブメントの生産性・効率性を向上させる施策:例]

◆思いや信念を“布教”できるコアとなるメンバーのネットワークを形成する
 →定期的に忌憚のない議論やアイデアの創出を行う場を設け、思いや信念を維持・強化しながら進む。

◆思いや信念をわかりやすい形で可視化(文書化、物語化など)する
 →言葉の綺麗さよりも内容を重視する。必要に応じて書き換えても良い。ブログなどで情報を発信することも有効。

◆達成度を測定・共有し、そこから更に刺激を得られるようにする
 →成果を共有し、メンバーにパワーと元気を注入する。

◆理論、手段、具体的なツールなどで“武装”させる
 →開始前に、活動の意義や論理的な裏付けに関する研修や勉強会を行う。

◆新たな評価項目やインセンティブを少しだけ活動向けに整備する
 →評価・報酬目的の「ニセモノ」が現れるので、過剰な報酬や評価の改訂は必要ない。

◆批判や妨害に対しては、断固たる姿勢で臨む
 →必ず天の邪鬼(あまのじゃく)的に、ネガティブに捉える者が出てくる。これを放置ぜず、断固たる姿勢で対処する。



以上のような準備が整い、活動計画に落とし込んだら、あとはPDCAサイクルを回しながら、ひたすら前進あるのみです。

なお、全体的なポイントとしては、あまりガチガチのルールを作らず、自主的に取り組もうとする人の意志をできるだけ尊重する体制を維持することです。過剰なルールや細かい指示・命令は、それに依存する傾向が出てくるのと、結果的にあまり熱心でない人に基準を合わせる「護送船団方式」になってしまうので注意が必要です。



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Posted by ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 at 08:30│Comments(0)戦略請負人のつれづれ日記
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