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ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所の代表、田中です。日比谷のオフィスを拠点に、起業家、経営者に対し、濃密な支援を行っています。いつでもお気軽にコンタクトしてください。              ※詳しい経歴は、カテゴリ(左バー)の「My Profile & 会社概要」をご覧ください。
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2010年09月01日

◆事業進化のための「バリュー・パッケージング戦略」を提唱する

◆事業進化のための「バリュー・パッケージング戦略」を提唱する


※写真は、広島市内を走るシーメンス社・デュワグ社(独)、アルナ社(日本)共同製造の路面電車「グリーンムーバー5000」(広島電鉄所有)。

 ドイツのシーメンス社は、交通生態系に必要な信号機や制御システム、軌道・架線システムなどのハード、およびこれらを運用・管理するノウハウ・スキルなどのソフトを他の企業とも連携しながらパッケージングし、ワンセットで提供している。
 同社は、このアプローチにより、海外企業の採用がきわめて困難とされる日本の公共交通の分野で多くの導入実績を持つ。
(他の実績としては、JR東日本の常磐線・長野新幹線などもあります)



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■事業進化の実戦的な方法としての「バリュー・パッケージング戦略」

 事業における「進化」とは、ターゲットとする市場、つまり環境の変化に合わせる、またはその変化を先読みする形で、事業体系を高度化させていくことです。

これを実現するための実戦的かつ具体的な方法として、弊社(ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所)では、既存事業の周辺に埋没している利益領域(プロフィット・ゾーン)群を掘り起こし、顧客への経済的インパクトなどを基準に体系化していく「バリュー・パッケージング戦略」をいくつかの会社で推進しています。



■車両製造業の事例:

これを、列車車両の製造業で説明してみましょう。

運行密度が高まり、運行ダイヤがますます複雑になる現代において、鉄道会社は、最も効率的かつ効果的にお客さまの移動を支援するための「生態系」、および安全・快適運行という「効能や効果」を社会へ提供しているという趣が強くなります。

鉄道運輸サービスの生態系は、車両の運行はもちろん、軌道敷設・管理体制や動力システム運用スキル、電力供給システムや安全運行管理システム、各設備のメンテナンス、人材の安全教育など、ハードとソフトの要素が整合性をもって体系化され、好循環することではじめて機能します。

したがって、顧客にとって大きな価値を提供できるパートナーであり続けようとするなら、顧客が得る「効能」に焦点を当て、車両のみならず、ハード、ソフトからなる自社の価値体系を、できるだけ顧客の価値体系に合致させる形で再構築し、事業を進化させていかなければなりません。

(バリューの中核となる車両も、軽量化や走行性能などを強化していかねばなりません。しかし成熟しつつある事業においては、通常これらは特別な優位性とはならず、どちらかというと「必要条件」的な意味合いが強くなります)


 もちろん、この戦略は簡単ではありません。特にこのようなB2Bビジネスの場合、顧客側も自社のニーズ体系を明確に把握しているわけではなく、消費財などと違ってお手本となる商品やサービスがあるわけではありません。

ゆえに、組織の知力をふりしぼり、顧客との対話を通じて顧客側の価値体系を的確に発掘・可視化しなければならないのです。



■その構築方法とは?

 端的な方法としては、高度な診断・ソリューション設計能力を持ったコンサルティング部隊を形成し、彼らが顧客と接触することによって得た情報や、協業者ネットワークから得た情報をもとに、顧客に対する経済性やリスク低減の貢献レベルなどを算定しながら、価値体系の再設計・パッケージングを行う、といった方法が有効となります。

(もちろんこれは、自社単独で構築できないケースもあるので、企業間の連携・ネットワーク化が必要になる場合もあります)


 なお、特にこの類のB2Bビジネスにおいては、だいたいの場合、前例のないものを提供することになります。ゆえに、うまくやると、顧客への付加価値(利益率)が高くなり、長期的に安定した収益の源泉ともなります。

また、もともと「土地勘」がある領域を基盤にしながら周辺領域へと進出を図ることになるため、慣れてくると、意外にも、価値体系の設計スピードや洗練度合いも早くなります。さらに、新規事業などに比べてリスクも低減されます。


■成功確率は一概には言えないが・・・知力を尽くすことがポイント:

 ちなみに、私の感触では、この戦略の成功率は、あえて平均値を言うと、20%~30%といったところでしょうか。ただし、事業経験が長く、特長や差別性を持っていればいるほど、顧客セグメントやパートナー企業からの信頼がすでにあり、営業や交渉、連携もしやすくなるので、必然的に成功率は高くなります。

 自社を一段と進化させる手法でありながら、新規事業などの「飛び地戦略」とは異なり、知力を尽くしさえすれば、リスクを押さえながら事業を進化させる有効な方法となり得る方法、それが、ビジネス生態系に基づく「バリュー・パッケージング戦略」なのです。



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Posted by ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 at 15:52│Comments(0)使える戦略理論を考える
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