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ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所の代表、田中です。日比谷のオフィスを拠点に、起業家、経営者に対し、濃密な支援を行っています。いつでもお気軽にコンタクトしてください。              ※詳しい経歴は、カテゴリ(左バー)の「My Profile & 会社概要」をご覧ください。
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2010年06月23日

◆戦略的SCRAPで事業を再活性化せよ【ベイン&カンパニー】

◆戦略的SCRAPで事業を再活性化せよ【ベイン&カンパニー】


        ※戦略的リストラSCRAPでは、間引き、移植、接ぎ木の3つの視点から事業診断を行う.



---戦略的リストラSCRAPの3つの視点から事業を診断し、成長に転じるための攻めの事業再構築を実行せよ---

                                            ~ベイン&カンパニー『攻めのリストラ革命』



◆コメント◆


 戦略コンサルティングファームのベイン&カンパニー社が1994年に提唱したこのSCRAP(Strategic Corporate Re-Alignment Program)という手法は、かつて90年代後半に事業再構築(いわゆるリストラ)の名のもとに、やみくもに合理化を行ってきた企業に対し、警鐘を鳴らすと同時に本来のリ・ストラクチャリングの意味である「事業再構築」へと、その視点を引き戻すことを狙ったものでした。

樹木の育成方法になぞらえたSCRAPの3つの視点は、ベイン社ならではのユニークな表現となっています。さらに、事業を再構築したり、進化・高度化したりするための鉄則である、「シュリンク to グロー](成長のための縮小・絞り込み)という重要な視点が、色濃くしっかりと反映されたプログラムとなっています。

加えて、それら3つの視点を支える分析手法群は、視点を多角的に深く取って事業の診断ができるもの(経営学や会計学などで提唱される単純な切り口とは異なります)で構成されており、これも単なる合理化ではない、本来の意味での事業再構築をめざした体系となっています。


 では、SCRAPの基本骨格を構成する3つの視点である、間引き(THIN OUT)、移植(RE-PLANT)、接ぎ木(GARAFT)を順に概観していきましょう。

  ※分析例は、最近の事例を勘案して、私が独自に加筆したものもあります。



■間引き(THIN OUT)■

★骨子:
 数多くの事業の苗の中から重点事業や育成事業を選定し、撤退・縮小する事業、合理化する組織機能などへの対策を施し、重点事業・育成事業に経営資源を集中させる。

★分析・診断の手法および視点:
 (1)事業別・機能別資源マップ分析
 (2)事業ポテンシャル分析
 (3)製品別・機能別企業余裕度の診断
 (4)重点事業・育成事業の戦略的・戦術的改善余地の検討
   
★分析の視点例:
従来の会計システムやコスト分析の枠組みにとどまらない視野を持つことがポイントです。例えば、以下のような方法が有効でしょう。

 ・会計上の科目だけではなく、バリューチェーンや構成機能でコストや経営資源、投下資本などをくくり直して測定してみる
 ・原価を、発生費用だけではなく、設計も含めた「プロセス」で丹念に追跡し、どこで大きなコストの飛躍が起きているかを特定する
 ・物流費用を自社内・自社周辺だけではなく、トータル・サプライチェーンで見直し、根本的な物流リエンジニアリングを図る




■移植(RE-PLANT)■

★骨子:
 従来の事業を重点事業・育成事業として強化していくために、これまでの経営土壌や枠 組みから別の事業基盤に移植することで事業を活性化させ、より大きく飛躍させる。

★分析・診断の手法および視点:
 (5)別会社化、機能分化(切り出し)
 (6)本社への取り込み、事業間の統合
 (7)事業の売却、M&A 

★分析の視点例:
 これは上記の表現のままですね。ポイントは、製品・サービスやそれを担当する人員だけではなく、そこに付随する人事評価制度や行動規範、カルチャ、スタイルなどもワンセットで移植するか、その製品・サービスにあったものをゼロから再構築できる環境を整えることでしょう。
  


■接ぎ木(つぎ木)(GARAFT)■

★骨子:
 従来の構造では収益の限界や成長の壁に直面しているようなコア事業・育成事業の基本構造の一部を抜本的に変革しブレークスルーを与えることで、新たな成長の余地を見出していく。

★分析・診断の手法および視点:
 (8)製品コンセプト・ブレークスルー
 (9)技術ブレークスルー
 (10)生産ブレークスルー
 (11)購買ブレークスルー
 (12)マーケティング・販売ブレークスルー
 (13)カスタマーサービス・ブレークスルー

★分析の視点例:
 以下の手段などが有効でしょう。思考を柔軟にして、顧客の視点から取り組む姿勢が求められます。

 ・製品のポジション(位置付け)を変える
 ・新しい用途を掘り起こす(最近では、ディマンド・イノベーションなどといわれていますね)
 ・他の技術・機能を底上げするような新たな技術要素を追加する
 ・販売活動にコンサルティング機能を付加し、提供価値の体系化・高度化を図る
 ・(今まで行ってきた分析をもとに)ゼロベースから購買基準を再設計し、購買体系を再構築する




 繰り返しますが、このSCRAPが考案された1994年当時、やみくもなコストダウンにより体力を消耗する企業が続出しました。このような状況への警鐘として、単なるコストダウンや事業縮小策ではなく、無理なく事業体系を絞り込み、そこに経営資源を集中させ、ふたたび攻勢に転じる考え方が示されたのです。

この考え方は、いま、ふたたび重要になってきていると思います(もちろんITや国際化など、現代に即した視点の追加や分析手法のアレンジは必要です)

すなわち、タービュラントな経営環境のもと、資本・事業の集約度を高め、さらにはポテンシャルを発掘し継続的に事業の進化を図っていかねばならない現代において、この手法が持つ「可能性を多角的に深く探りながら事業の再構築をめざす」というコンセプトは、十分に応用が可能なものだと思います。

(実際に弊社では、ベイン社の見識に学びながらもSCRAPを大幅に改良し、事業進化の可能性を発掘するためのプログラムとしても用いて、着実な成果を上げています)



■ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所■
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Posted by ジェイ・ティー・マネジメント田中事務所 at 08:30│Comments(0)気になるひとこと・フレーズ
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